賃貸住宅に掛けられる保険の種類は?
(1)
火災保険
集合住宅にかけられる保険の代表的なものに火災保険があります。
一般の火災保険のイメージでは、建物と家財、店舗の什器設備や商品が補償の対象となると考えられますが、
火災保険で補償される損害は、火災による損害だけでなく、自然災害や日常生活における事故などから、
住まいや家財を守るために幅広い補償が用意されています。
ただしこの幅広い補償(火災以外の損害に対しても保険金が支払われる)の場合に、どんなケースで保険金が
支払われるかは、その火災保険の種類によって異なってきます。
損害保険会社の火災保険には、掛捨型のものと満期金が支払われる積立型のものがあり、それぞれ補償
の内容が異なっています。
また地震保険以外は単独で加入することが出来ますが、地震保険は火災保険に付帯することになるため、
単独では加入できません。つまり、地震による損害の補償だけが欲しいと思っても、地震保険だけ加入する
ことはできないというものが多いようです。さらに地震保険をつけることが出来るのは、損害保険会社で取
扱っている火災保険に限られています。このため、火災共済等に加入している場合は、地震保険をつけるこ
とはできないこともありますのでご注意ください。
※
掛捨型のものとしては、住宅火災保険、住宅総合保険、団地保険、地震保険があります。
※
積立型のものとしては、長期総合保険、積立生活総合保険があります。
また、火災保険は、建物・家財それぞれについて別々に保険金額を設定し、加入することになります。
住宅ローンを利用して住宅を購入した場合、建物には火災保険をつけ、そこに質権設定をしなければなりません。
このため、建物には火災保険がついているけれど、家財には付け忘れていたということもありがちです。
ご注意下さい。
| 補償される内容 |
普通火災保険 |
住宅総合保険 |
団地保険 |
長期総合保険
(積立生活総合保険) |
賃貸住宅居住者用保険 |
| 火災(消防による水濡れ・破壊を含む) |
失火やもらい火などの火災。例えば、石油ストーブが倒れて床に燃え広がった場合や、たばこの火の不始末によりボヤが起った場合の損害。
|
| 落雷 |
落雷の衝撃による損害(テレビの故障など)や、落雷による火災の損害。 |
| 破裂・爆発 |
プロパンガスなどの爆発で建物が壊れたり、窓ガラスが破損した場合の損害。 |
| 風災・ひょう災・雪災 |
台風や竜巻などの強風によって生じた損害。ひょうが降ったことによって生じた損害。豪雪、雪崩れなどによって生じた損害。 |
| 建物の外部からの物体の落下・飛来・衝突等 |
× |
航空機の墜落、自動車などの飛び込み、ボールの投げ込み、小石の投げ込みなどによって生じた損害 |
| 水濡れ |
× |
給排水設備の事故(例えば、排水管にものが詰まって水があふれ出し、部屋中が水浸しになった場合)、アパートやマンションなどで他の戸室で生じた事故による水濡れ損害 |
| 騒じょう・騒じょう類似の暴力行為 |
× |
デモや集団活動、労働争議に伴う暴力行為・破壊行為による損害。 |
| 盗難 |
× |
盗難によって建物、家財に生じた損害。 |
| 水害 |
× |
○ |
× |
○ |
○ |
| 災害時の傷害費用 |
○ |
○ |
× |
○ |
× |
| 地震火災費用 |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
| 損害防止費用 |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
| 災害による修理費用(賃貸住宅の場合) |
× |
× |
○ |
× |
× |
| 水道管修理費用 |
× |
× |
× |
× |
○ |
| 第三者に対する賠償責任 |
× |
△(特約) |
○ |
△(特約) |
△(特約) |
| 家主に対する賠償責任 |
× |
△(特約) |
○ |
△(特約) |
△(特約) |
|
@
普通火災保険 |
·
普通住宅用の火災保険のなかでは最もシンプルな補償内容で、住宅の地域や構造により保険料が異なります。
·
この火災保険から支払われる保険金には、@建物や家財が火災などにより損害を受けた場合に、その損害に対して支払われる損害保険金と、A保険をつけている住宅が、火災などの損害を受けたときに生じたさまざまな費用に対して支払われる費用保険金の2種類があります。
·
上記表にある『地震火災費用保険金』とは、地震・噴火・津波を直接・間接の原因として起きた火災によって、保険をつけている住宅や家財が損害を受けたときに支払われるものです。ただし、地震火災費用保険金が支払われるのは、保険をつけているのが住宅であれば、半焼以上、家財であれば家財が全焼したか、あるいはその家財のある住宅が半焼以上となった場合です。
·
また支払条件に当てはまっても、支払われる保険金は保険金額の5%で、300万円が限度となります。地震・噴火・津波による損害に備えるためには、地震保険にも加入しなければなりません。 |
|
A
住宅総合保険 |
·
住宅火災保険より補償対象を広くした火災保険で、掛捨タイプでは最も一般的です。
住宅火災保険同様、住宅の地域や構造により保険料が異なります。補償内容は、住宅火災保険
の補償内容に、次のケースによる損害が加わります。
u
物体の落下・飛来・衝突・倒壊
u
排水設備の事故または他の戸室で生じた事故の水濡れ
u
騒じょうやこれに類似した暴力行為
u
盗難
u
持ち出し家財(旅行、買物等の為に一時的に持ち出された家財)の損害
u
水害による損害
費用保険金が支払われる範囲は火災保険と同じです。
住宅総合保険の保険料は、保証の範囲が大きくなった分、住宅火災保険より高くなりますが、
鉄筋コンクリート造の建物に火災保険金額1000万円で保険をつける場合、住宅総合保険と
住宅火災保険の年払保険料の差額は2000円程度です。この程度の割増保険料なら、住宅総合保険
に加入した方が安心です。 |
|
B
団地保険 |
·
団地やマンションなどの鉄筋コンクリート造の共同住宅を対象とした保険です。住宅総合保険に傷害保険と賠償責任保険をセットしたような保険で、保険料は地域による差がありません。
·
もし、マンション内の家財や建物に火災保険をつけるのなら、住宅総合保険に加入するより、団地保険から傷害保険と賠償責任の補償を外し、団地保険に加入する方が保険料は安くなります。
·
団地保険をつけられるのは、団地やマンション内にある家財で、分譲マンションの場合は、家財とあわせて保険をつける場合に限り、住宅にも保険をつけることができます。
·
損害に対する補償内容は、住宅総合保険の損害保険金が支払われる範囲とほとんど同じですが、水害による損害だけは補償の対象外です。また、費用保険金については、傷害保険がセットされているため、住宅総合保険の補償内容から、災害時の傷害費用が除かれています。なお、賃貸マンションの場合は、災害による修理費用も補償されています。
·
傷害保険では、団地保険の契約者本人、その配偶者、本人あるいは配偶者と生計を共にしている、同居の親族と別居の未婚の子の@国内外での交通事故によるケガ、A国内外での建物の火災により被ったケガ、Bマンション構内での偶然の事故によるケガ、が補償されます。
·
賠償責任保険では、本人や家族(傷害保険の被保険者と同じ)が、国内で偶然の事故によって他人のものに損害を与えたり、他人の身体を傷つけ、法律上の損害賠償責任を負った場合に保険金が支払われます(個人賠償責任)。マンションを賃借している場合は、火災や爆発などの事故が原因で借りている住宅に損害を与え、住宅の所有者に対して損害賠償責任を負ったときも、保険金が支払われます(借家人賠償責任)。
·
団地保険の補償内容から、傷害保険、賠償責任保険を外して契約することもできます。また、賠償責任保険のうち、借家人賠償責任に対する補償を除いて契約することも可能です。保険会社によっては、傷害保険を外した形でしか加入できないところもあります。 |
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C
長期総合保険 |
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満期金が支払われるタイプの火災保険で、保険期間は、3年、5年、10年のなかから選択することが出来ます。
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保険期間に関わらず、満期返戻金額は火災保険金額の10%に設定されています。保険料は住宅の地域や構造により異なります。交通傷害の補償を取り外すことや、個人賠償責任担保特約、借家人賠償責任担保特約をつけることもできます。
·
上記のCの保険のほかさらに期間の長い「積立生活総合保険」は、満期金が支払われるタイプの火災保険ですが、保険期間は、5年、10年、15年、20年のなかから選択することができます。専用住宅の場合、保険料は地域による差はありませんが、建物が耐火構造か非耐火構造かで分けられています。 |
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D
賃貸住宅の居住者用保険 |
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大切な家財の損害を補償(火災、落雷、破裂爆発、風災、ひょう災、雪災、飛来、落下、衝突、水濡れ、水害、盗難など) しています。新価(家財の新品購入額)を基準に実際の損害額を支払います。
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借家人である立場から生じた損害の賠償責任である「借家人賠償責任」や、借家人同士で隣人への賠償責任は個人賠償責任保険を組み合わせて備えることができます。
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このサービスでは示談交渉のサービスが付いているものもあります。(賠償事故解決特約という)
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(2)
地震保険
一般の火災保険では、地震・噴火・津波による損害は免責となっており、損害保険金は支払われません。
また火災保険から地震の損害に対して支払われるのは、火災保険金額の5%の額(300万円が限度)の地震火災費用保険金だけです。それも、地震が原因で火災が発生し、保険をつけているのが建物なら半焼以上、家財であれば全焼あるいは収容している建物が半焼以上となった場合に限られます。つまり、建物が損壊しただけで焼けなければ、火災保険からは保険金はまったく支払われないわけです。地震・噴火・津波による損害に対して備えるためには、地震保険に加入するしかありません。
ただし、地震保険は、他の火災保険に付帯して加入することになっているため、地震保険に加入するためには、火災保険にも加入することが前提となります。
地震保険で補償されるのは居住用の建物(住居専用の建物および店舗併用の住宅)と家財に限られ、以下の補償内容です。
* 地震によって建物が倒壊、破損した場合の損害。
* 地震によって生じた火災で建物が焼損した場合の損害。
* 噴火に伴う溶岩流や噴石、火山灰によって建物が倒壊、埋没した場合の損害。
* 地震による津波によって建物が流失、倒壊した場合の損害。
地震保険の限度額は建物で5000万円まで
地震保険の保険金額には限度額があり、建物と家財それぞれの火災保険金額の30%から50%の範囲内で、建物は5000万円、家財は1000万円が上限となります。
地震保険の保険料は、建物の構造と所在地により決まります。
保険期間は、火災保険の保険期間が一年であれば地震保険も一年で加入することになりますが、火災保険の保険期間が2年以上
5年以内であれば、火災保険の保険期間の範囲内で最長5年間加入することが出来ます。火災保険の保険期間が5年を超える場合は、火災保険の満期まで5年ごとに自動継続できます。
地震保険をつけることが出来るのは、住宅と家財に対してです。
家財といっても一個または一組の価値が30万円を超える貴金属などは除かれます。支払われる保険金の額は、損害の程度によって決まり、判定基準は全損、半損、一部損の3段階に分かれています。
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